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抜歯併用のワイヤー矯正で上下顎前突・叢生・シザースバイトの改善を目的とした症例解説

歯並びのガタガタが気になる」「出っ歯が気になる」とお悩みではありませんか?

本記事では、当院の患者様の精密検査結果(セファロ分析・グラモンズ分析)をもとに、抜歯を併用した表側ワイヤー矯正による咬合改善アプローチを解説します。


目次

  1. 初診時の主訴と患者様のお悩み
  2. 精密検査およびレントゲン・セファロ分析結果
  3. 診断結果と改善すべき問題点(Problem List)
  4. 治療計画(PLAN)とアプローチ
  5. 治療に伴うメリット・リスク・注意点

1. 初診時の主訴と患者様のお悩み

患者様は「歯並びのガタガタ(叢生)」および「出っ歯(上下顎前突)」を主訴に来院されました。
1年以上前から歯並びが気になり始めたとのことで、口で息をしてしまう癖やいびきをかく習慣もお持ちでした。ご家族(父・母・兄)にも似た歯並びの方がいらっしゃるとのことで、遺伝的な要因も考えられます。


2. 精密検査およびレントゲン・セファロ分析結果

治療計画を立案するため、顔貌写真、口内写真、パノラマレントゲン、および側方・正面セファロ(頭蓋測定)撮影を行いました。

項目分析・測定結果
患者情報10代・男性
骨格タイプSkeletal Class II(骨格性上下顎の前後的不調和)、Low Angle(低分散顔面パターン)
噛み合わせ(咬合)右Angle ClassI・左Angle ClassI、上下顎7シザースバイト
顔面・軟組織側貌はコンベックス、上唇が標準より前方位、下唇は標準、ナゾラビアルアングルが標準より小さめ
顎骨の状態下顎骨の右側方偏位
正中顔面正中に対して下顎正中が左偏
習癖・口腔機能口呼吸、いびき、開閉口時の顎の偏位、左側の顎関節クリック音
歯並び
ガタガタ
噛み合わせ

📊 セファロ分析データ要約

  • ANB Angle: 6.5°(標準2.05° ⇒ 骨格性クラスII傾向)
  • SNA: 88.6°(標準81.77° ⇒ 上顎の突出傾向)
  • SNB: 82.2°(標準的な下顎の前後的位置)
  • FMA: 20.7°(低分散型の顔面パターン)
  • Interincisal Angle: 102.2°(前歯間角度がかなり前傾)
  • U1 to FH: 129.2°(上顎切歯が前方に傾斜)
  • U1 to A-pog: 12.9mm(上顎前歯が大きく前方に突出)
  • FMIA: 51.5°(下顎前歯が上顔面に対して前傾)
  • L1 to A-pog: 6.7mm(下顎前歯が前方に突出)
  • Upper molar to PtV: 22.3mm(標準的な上顎臼歯の前後的位置)
  • Overjet/Overbite: 6.1mm/2.9mm(オーバージェットが大きく、オーバーバイトは正常範囲)
  • Nasolabial angle: 85.8°(上唇が前方に突き出た状態)
  • Upper lip to E-plane: 3.2mm(上唇が前方に突出)
  • Lower lip to E-plane: 0.8mm(標準的な下唇の位置)

📊 グラモンズ分析(正面セファロ)

  • Menton deviation: 2.4mm(下顎オトガイ部の側方偏位)
  • 上顎歯列正中偏位: 0.2mm
  • 下顎歯列正中偏位: 0.4mm(右方向)
  • Ag angle左右差: 1.1°(右122.4°/左121.3°)
  • Co-Me distance左右差: 2.8mm(右109.7mm/左112.5mm)
  • 咬合平面のCanting: 0.3°

3. 診断結果と改善すべき問題点(Problem List)

分析の結果、本症例の主な課題は以下の項目に整理されました。

  1. 叢生: 歯のサイズと顎のスペース不足による歯列のガタガタ、前歯の唇側傾斜・前方位。
  2. 上下顎前突: 上下顎前歯の前方突出、大きなオーバージェット。
  3. 上下顎7シザースバイト: 上下の第二大臼歯(7番)における咬み合わせの不調和。
  4. 顎骨の偏位: 下顎骨の右側方偏位。

4. 治療計画(PLAN)とアプローチ

上下顎の前突と叢生の改善を目的とし、便宜抜歯を併用した表側ワイヤー矯正を主装置とする治療計画を立案しました。

【使用装置・治療アプローチ】

  • 主装置: 表側ワイヤー矯正
  • 補助装置: 顎間ゴム(Elastics)、アンカースクリュー、リテーナー
項目内容
抜歯部位上顎4番×2本、下顎5番×2本
想定治療期間2年
保定期間2年以上(リテーナー装着)
品川
歯列矯正
矯正専門医院

5. 治療に伴うメリット・リスク・注意点

💡 治療による主なメリット

  • 叢生(ガタガタ)の解消による見た目の改善
  • 上下顎前突の改善による口元のバランス向上
  • 上下顎7シザースバイトの改善

⚠️ 主なリスク・デメリット(説明と同意)

  • 抜歯に伴う変化: 便宜抜歯を行うため、抜歯後の隙間を矯正で閉じていく過程が必要です。
  • 口元の変化: 前突の改善に伴い、口元の突出感が変化します。
  • 顎骨の偏位の残存可能性: 症例の程度によっては、下顎骨の偏位が完全には改善しきれない場合があります。
  • 歯肉退縮・歯根吸収: 歯を移動させる過程で、歯茎が下がったり歯の根がわずかに短くなるリスクがあります。
  • 歯髄壊死・顎関節症状: 噛み合わせの変化に伴い、一時的な違和感や顎の痛みが生じる場合があります。
  • 保定の重要性: 治療後の後戻りを防ぐため、リテーナーの規定時間通りの着用が不可欠です。

品川矯正歯科からのメッセージ

上下顎前突や叢生、奥歯の咬み合わせのズレ(シザースバイト)は、見た目だけでなく日頃のお口の癖(口呼吸いびきなど)とも関係していることが少なくありません。精密検査で骨格・歯列の状態を丁寧に把握したうえで、無理のない治療計画をご提案いたします。

歯並びや噛み合わせで気になる方は、ぜひ一度当院の無料カウンセリングにお越しください。

監修歯科医師
山口祐希
日本矯正歯科学会 認定医

略歴
平成25年3月 鶴見大学歯学部卒業
平成25年3月 歯科医師免許取得(歯科医籍番号第172108号)
平成26年4月 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座入局 臨床専科生
平成27年4月 鶴見大学大学院歯学研究科(矯正学講座)入学
平成31年3月 鶴見大学大学院歯学研究科(矯正学講座)修了
平成31年3月 学位取得(博士(歯学))
平成31年4月~令和2年3月 鶴見大学歯学部附属病院 臨床助手(矯正科)
令和1年10月 日本矯正歯科学会 認定医取得
令和2年4月~ 常盤矯正歯科、多数の病院勤務(フリーランス)
令和7年11月 品川矯正歯科 開業

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