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出っ歯・口元の突出感を改善を目的とした矯正治療|上下顎前突と叢生の抜歯矯正

こんにちは。

当院の矯正ブログです。

今回は、実際の精密検査データ(セファロ・顔面写真分析)をベースに、「出っ歯(上顎前突)」と「歯のガタツキ(叢生)」が組み合わさった大人の矯正治療ケースについて、詳しく紐解いていきます。  

口元の突出感が気になる」「横顔のバランス(Eライン)を綺麗にしたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。  

1. 精密検査からわかるお顔立ちと骨格の特徴

矯正治療を始める前には、頭部のレントゲン(セファロ)や正面・側面の写真を用いて、骨格や歯の傾きをミリ単位・度数単位で分析します。今回のケースの主な特徴は以下の通りです。  

骨格バランス:Skeletal Class I / Low angle(低角)

 Skeletal Class I(骨格クラス1): 上顎と下顎の前後的な位置関係はバランスが取れており、骨格的な大きなズレ(極端なアデノイド顔貌や受け口など)はありません。  

 Low angleFMA 18.4°): 顎の回転がシャープで、垂直的なお顔の長さがコンパクトな「 brachy facial(低分散顔面パターン)」に分類されます。このタイプは噛む力が強い傾向にあります。  

横顔(軟組織)の特徴とEライン

 E-line(エステティックライン): 下唇の位置は標準的ですが、上唇が標準よりもやや前に出ています。  

 Nasolabial angle(鼻唇角 80.2°): 鼻のベースと上唇がなす角度が標準(約95°)よりも小さくなっており、これが「口元の突出感」や「出っ歯」の印象に繋がっています。  

2. お口の中の状態(歯並びと咬合)

前歯の突き出しとガタツキ(上顎前突 + 叢生)

 前歯の傾き(U1 to FH 126.8°): 上顎の前歯が通常よりも外側(前方)に強く傾斜して飛び出しています。

さらに、上下の歯列全体にガタツキ(叢生)が見られます。  

 大きなオーバージェット(7.7mm): 上下の前歯の前後的な段差(オーバージェット)が7.7mmと大きく開いており、主訴である「出っ歯」の大きな原因となっています。  

正中(真ん中)のズレと咬合平面の傾き

正面からのグラモンズ分析やトレース分析によると、顔面の正中(真ん中のライン)に対して、上の歯の真ん中が右側に0.6mm、下の歯の真ん中が右側に0.2mmズレています。

また、咬合平面(噛み合わせの面)が全体的に「右下がり」にわずかに傾いている(Canting)のも特徴です。  

3. どのような治療計画を立てるか?

今回のケースでは、「ガタツキを解消すること」と「前方に突き出た上顎の前歯を後ろに下げて口元を下げること」が最大のゴールになります。  

治療のメリットとアプローチ

 抜歯による口元の変化: 歯を並べるスペースを作り、かつ前歯を内側に入れるために「抜歯」を伴う治療計画が有効です。

これにより、横顔のEラインや鼻唇角が劇的に改善され、すっきりとした口元になります。  

 治療期間の目安: 動的治療期間として 23年、その後の後戻りを防ぐ保定期間として 2年以上を見込みます。  

使用する主な装置

1. ハーフリンガル装置

目立ちやすさを考慮し、上の歯には裏側の見えない装置(リンガル)、下の歯には表側のホワイトやクリアの審美装置を装着するハイブリッドな方法です。  

2. アンカースクリュー Shu-lider

歯科用の小さなネジ(アンカースクリュー)を顎の骨に一時的に埋入し、それを固定源(錨)にして前歯を強力に後ろへ引っ張ります。骨格がLow angleで噛む力が強い方でも、確実に歯を動かすための必須ツールです。  

3. 顎間ゴム

患者様ご自身で上下の装置に輪ゴムをかけていただき、噛み合わせの微調整を行います。  

4. 治療のリスクや注意点

矯正治療には多くのメリットがありますが、事前にリスクを理解しておくことも大切です。

 歯根吸収や歯肉退縮: 歯を大きく動かすプロセスで、歯の根っこが少し短くなったり(歯根吸収)、歯茎が少し下がったり(歯肉退縮)するリスクがあります。  

 口腔内の健康状態の管理: すでに神経の処置をしている歯(失活歯)が含まれる場合、治療中のトラブルが起きないよう細心の注意を払って歯を動かします。  

 習癖の改善: もし日常的に「唇や舌を噛む」「食いしばり」などの癖がある場合、装置の破損や治療後の後戻りに影響するため、治療と並行して意識的に改善していく必要があります。  

まとめ

骨格的なアンバランスが少なく、歯の傾きやスペース不足によって出っ歯になっているケースでは、「抜歯 + アンカースクリュー」を組み合わせた矯正治療によって、横顔のライン(Eライン)が非常に美しく変化しやすいという特徴があります。  

当院では、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせの平面の傾きや正中のズレまでを細かく分析し、一人ひとりに最適なオーダーメイドの治療をご提案しています。口元のお悩みがある方は、ぜひ一度精密検査によるシミュレーションを受けてみてくださいね!

監修歯科医師
山口祐希
日本矯正歯科学会 認定医

略歴
平成25年3月 鶴見大学歯学部卒業
平成25年3月 歯科医師免許取得(歯科医籍番号第172108号)
平成26年4月 鶴見大学歯学部 歯科矯正学講座入局 臨床専科生
平成27年4月 鶴見大学大学院歯学研究科(矯正学講座)入学
平成31年3月 鶴見大学大学院歯学研究科(矯正学講座)修了
平成31年3月 学位取得(博士(歯学))
平成31年4月~令和2年3月 鶴見大学歯学部附属病院 臨床助手(矯正科)
令和1年10月 日本矯正歯科学会 認定医取得
令和2年4月~ 常盤矯正歯科、多数の病院勤務(フリーランス)
令和7年11月 品川矯正歯科 開業

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