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【症例解説】40代男性:ガタガタ(叢生)と深い噛み合わせ(ディープバイト)をハーフリンガルで改善を目的とした抜歯矯正
こんにちは、品川矯正歯科です。
今回は、「歯のガタガタ(叢生)」と「深い噛み合わせ(過蓋咬合/ディープバイト)」、そして「笑った時の歯の見え方」を主訴に、他院からのご紹介でご来院された46歳男性の患者様の矯正診断・治療プランについて解説します。
患者様は「目立ちにくい装置」をご希望され、上顎は裏側、下顎は表側の装置を使用するハーフリンガル矯正での治療を行うこととなりました。
目次
1. 初診時の患者様情報・主訴
- 年齢・性別: 46歳6ヶ月 男性
- 主訴:
- 歯がガタガタしている(叢生)
- 噛み合わせが深い(ディープバイト)
- 笑ったときの歯の見え方が気になる
- 現病歴: 1年以上前から歯並びが気になり始めた
- ご要望: 周囲に気づかれにくい「ハーフリンガル装置」を希望
2. 精密検査による診断結果
精密なレントゲン、頭部X線規格写真(セファロ)、顔面および口腔内写真、顔面非対称の解析(PAセファロ)を行い、以下の診断項目が明らかになりました。
① 骨格・顔貌の所見(Skeletal & Soft-Tissue)
- 骨格性クラスII(Skeletal Class II): 上顎に対して下顎が後退している傾向にあります。
- 下顎骨の右方偏位: 顔面の正中(中心)に対して、あごの骨(下顎骨)が右側にズレています。
- 横顔(E-line)の傾向: 上唇・下唇ともに標準よりも前方位にあり、やや口元が前方へ突き出た印象となっています。
② 口腔内・咬合の所見(Dental & Occlusion)
- 叢生(ガタガタ): 上下顎ともに歯が綺麗に並ぶスペースが足りず、ガタガタしています。上顎の前歯は舌側に傾斜しつつ全体として前方位にあり、下顎の前歯は唇側に傾斜しています。
- ディープバイト(深い噛み合わせ): 上の前歯が下の前歯を深く覆い隠してしまう「過蓋咬合」の状態です。
- 正中不一致: 顔の中心に対して、上顎の歯列の正中も下顎の歯列の正中も、ともに右側に偏位しています。
- 臼歯関係の不調和: 右側がAngle Class II(噛み合わせがズレている)、左側がAngle Class I(標準的)と、左右で噛み合わせのバランスが異なります。
③ 機能系・その他の所見
- 習癖・呼吸: 鼻呼吸であるものの、よく鼻が詰まる、よくイビキをかくといった症状があります。
- 軟組織: 舌の側面に歯の痕(圧痕)がついており、舌小帯が短く、正しい位置より舌が下がっている「低位舌」が認められます。
- 顎関節: 口を開閉する時にあごが左右にズレる動き(偏位)があり、左右でクリック音(関節雑音)がします。
- 歯科的特記事項: 左上5番の歯に根尖病変(根の先の病気)があり再根管治療が必要なほか、右上2番も被せ物(補綴)の処置が必要です。

3. 治療計画(プラン)
患者様の骨格バランス、口元の突出度、ガタガタの強さを考慮し、抜歯を伴う本格矯正治療を行う計画となりました。
- 治療装置:
- 抜歯部位: 抜歯治療を行います(※詳細な抜歯歯位は最終決定)
- 治療のメリット・改善点:
- 歯列のガタガタ(叢生)および深い噛み合わせの改善
- 抜歯スペースを利用して前歯を下げることによる、口元の良好な変化(E-lineの改善)
- 治療期間の目安: 3〜4年
- 保定期間: 2年以上

4. 矯正治療におけるリスク・注意点(デメリット)
大人の矯正治療、特に抜歯やアンカースクリューを用いる治療には以下のリスクが伴います。当院ではこれらを最小限に抑えるよう慎重に治療を進めます。
- 歯肉退縮(歯ぐきが下がること)
- 歯根吸収(歯の根っこが短くなること)
- 歯髄壊死(歯の神経が死んでしまうこと)
- 顎関節症状(あごの関節の痛みや音が強まる可能性)
- あごの骨自体の偏位(非対称)そのものを、歯列矯正だけで完全に無くすことは困難な場合があります。
5. 医院からのメッセージ
40代からの矯正治療は遅すぎるということは全くありません。今回の患者様のように「目立たない装置で綺麗にしたい」「噛み合わせをしっかり治して健康な口元を手に入れたい」というご希望に、ハーフリンガル矯正は非常に適しています。
左上5番の根の治療や右上2番の被せ物の治療など、一般歯科治療と密に連携しながら、3〜4年をかけてじっくりと美しく機能的な噛み合わせを構築していきます。同じような歯並び(ガタガタ・深い噛み合わせ)でお悩みの方は、ぜひ一度品川矯正歯科へご相談ください。
【治療詳細まとめ】
- 診断名:骨格性クラスII、下顎骨右方偏位、ディープバイト、叢生
- 治療手法:ハーフリンガル・抜歯矯正・アンカースクリュー使用
- 費用・期間:治療期間3-4年(保定2年以上)
- リスク:歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症状など