「マウスピースで矯正治療はできないと言われた」――それ、本当に不可能ですか?
「私はワイヤーじゃないと無理なんでしょうか…」

最近、SNSや他院で相談をされたあとに、このようなお悩みを抱えて当院へご来院される方が非常に増えています。
インターネットやSNSでは
「マウスピースは誰でもできる」
「目立たず簡単に治る」
といったイメージが先行しがちですが、現実の矯正治療はそれほど単純ではありません。
しかし一方で、
「本当はマウスピースで治療できる可能性があったのに、適切な診断がされていなかった」
というケースがあるのも事実です。
この記事では、
- なぜ「マウスピースでは無理」と言われるのか
- その判断は本当に正しいのか
- 当院ではどのように診断・治療方針を決めているのか
- 認定医だからこそできる判断とは何か
を、分かりやすく解説していきます。
目次
そもそもマウスピース矯正とは?

この矯正方法は、透明なマウスピース型装置を段階的に交換しながら歯を動かしていく矯正治療です。
見た目が目立ちにくく、
- 取り外しができる
- 食事や歯みがきがしやすい
- 金属アレルギーの心配が少ない
といったメリットから、近年非常に人気が高まっています。
一方で、マウスピースは「万能」な装置ではありません。
適応には明確な「向き・不向き」が存在します。
「マウスピースではできない」と言われる主な理由
患者さんが他院で「マウスピースは無理です」と言われたケースには、主に次のような理由があります。
① 骨格的なズレが大きいケース
- 上顎と下顎の前後的なズレ
- 顔貌に強く影響する骨格性の不正咬合

これらは、歯の移動だけでの改善が難しく、外科矯正や本格的なワイヤー矯正が必要と判断されることがあります。
② 歯の傾斜が強く、コントロールが難しいケース
- 歯が大きく傾いている
- 歯根の向きまで大きく修正が必要
マウスピースは歯体移動や回転は得意ですが、強いトルクコントロール(歯根の細かいコントロール)が必要な場合は、ワイヤーの方が確実と判断されることがあります。
③ 抜歯を伴う矯正と言われたケース

「抜歯が必要=マウスピース不可」と説明されることがありますが、これは一概に正しいとは言えません。
現在では、抜歯症例でもマウスピースで治療できるケースは多数存在します。
ただし、高度な治療設計と経験が必要になります。
④ 噛み合わせのズレが複雑なケース
これらはマウスピース単独では難しいケースもありますが、補助装置の併用で対応できる場合も多くあります。
SNSで広がる「マウスピース万能説」の落とし穴
SNSでは、
- 「簡単に治った」
- 「痛くない」
- 「半年で終わった」
といった投稿を多く目にします。
しかし、そこには
- 症例の難易度
- 治療前の噛み合わせの状態
- 治療途中での微調整
- 計画通りに進まなかったケース
などの情報は、ほとんど掲載されていません。
つまり、SNSの成功例だけを見て自己判断してしまい、現実とのギャップに悩まれる方が非常に多いのです。
「できない」と言われた=本当に不可能、ではありません
重要なポイントはここです。
他院で「できない」と言われた理由を、
本当に「科学的・医学的に検証されているかどうか」
実際に当院へご相談に来られた方の中には、
- レントゲンは撮影したが、精密な分析がされていなかった
- 歯だけを見て、骨格や顎の動きを総合的に評価していなかった
- マウスピース治療の経験が少ない医院だった
といったケースも少なくありません。
当院のマウスピース矯正に対する基本方針

当院では、
「マウスピースができるか・できないか」から考えることはありません。
まず最初に行うのは、
- 顔貌分析
- セファロ分析(頭部X線)
- 歯列状態の精査
- 噛み合わせと顎機能の評価
など、矯正専門医として必要な精密検査をすべて行った上で、最適な治療法を判断します。
その結果として、
- マウスピース単独が最適
- ワイヤー矯正が最適
- アライナー+部分ワイヤーの併用
- 外科矯正が必要
といった“患者さんごとに最も安全で確実な方法”を提案しています。
他院との大きな違いは「治せる・治せない」ではなく「治り方の質」
当院では、
- 見た目だけ整えばよい
- 早く終わればよい
とは考えていません。
「機能的に正しい噛み合わせ」
「将来にわたって安定する歯並び」
「顎や歯に無理のかからない治療」
これらをすべて満たすことを、治療のゴールとしています。
そのため、
「マウスピースで無理に治して後戻りする」
「噛めなくなる」
「顎関節に負担が出る」
というリスクが少しでもある場合は、安易にマウスピースを勧めることはありません。
認定医ならではの「判断力」と「治療の引き出し」
矯正治療は、見た目以上に高度な専門分野です。

当院の院長は、日本矯正歯科学会の厳しい審査基準をクリアした認定医として、
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- 抜歯症例
- 外科矯正症例
など、幅広い症例経験を積み重ねています。
この「治療の引き出しの多さ」こそが、
- 「本当にマウスピースでできるのか」
- 「どこからが無理なのか」
- 「どこまで併用すべきか」
を正確に見極められる大きな理由です。
実際に当院に多いご相談例
- 「抜歯が必要だからマウスピースは無理と言われた」
- 「年齢的にマウスピースは厳しいと言われた」
- 「噛み合わせが悪いからワイヤーしかないと言われた」
こうした方々の中には、当院の再評価でマウスピース治療が可能となったケースも多数あります。
一方で、
「やはり安全性を考え、マウスピース矯正をおすすめする」
と判断するケースも正直にお伝えしています。
私たちが一番大切にしていること

当院が大切にしているのは、
「患者さんが本当に納得して治療を選べること」
です。
「マウスピースがいいからマウスピース」
「目立つのが嫌だからそれ一択」
という選び方ではなく、
- なぜその装置が適しているのか
- どんなメリット・デメリットがあるのか
- 将来どんなリスクがあるのか
をすべて丁寧にご説明したうえで、患者さんご自身に選んでいただくことを何より大切にしています。
「できない」と言われた方こそ、一度ご相談ください
もし、
- 他院でマウスピースは無理と言われた
- SNSと説明が違って混乱している
- ワイヤーにするか迷っている
このようなお悩みがあれば、一度セカンドオピニオンとしてご相談ください。
「本当にできないのか」
「実は別の選択肢があるのか」
を、矯正専門医として客観的にお伝えします。
まとめ
- 「マウスピースでできない」と言われる理由はさまざま
- その判断が必ずしも“絶対”とは限らない
- 精密診断と経験によって、治療の選択肢は広がる
- 認定医の診断は「安全性・安定性・将来性」まで含めて判断される